今週のヒット食品

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揚げ調理に利用される油の沸点は摂氏100度以上であり、摂氏100度で沸騰する水で煮る調理とは異なり、高温の加熱調理が可能である。

食材を高温の油に投入すると、表面の水分が瞬間的に沸騰蒸発する(揚げ物をする際に泡が出るのはこのため)と同時に、油に直接接した部分は短時間で蛋白質等が熱変性し硬化する。食材の表面に硬い殻が出来た状態となるので、表面のみがサクッとした食感となり内部は水分が保たれ、軟らかさが残る。料理によっていくらかの油は料理の中に残る。

炒め物等の素材をあらかじめ下揚げすることは油通し(あぶらどおし)といい、中華料理の基本的な技法である。食材を炒めて火を通すと、どうしても焦げ目がついて見た目が悪く、また苦味がつく。あらかじめ素揚げで火を通すことで、炒めるより短時間かつ均一に食材に火を通すことができ、肉や魚は表面を固めることで旨みを逃がさず、野菜は鮮やかな色に仕上がり、食感よくしかも美しく調理することができるのである。

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